主婦ログときどき赤裸々系日記

ときどきすごいこと書く日記です。

ママ友

保育園の保護者会役員になった。

仕事があるとはいえ、暇な主婦には

違いない。

多くの人がやりたがらない役回りは、

大いにやってみたいと思うタチだ。

 

そうして、

集まったメンバーの初顔合わせがあり、

わたしはちあきちゃんと仲良くなった。

 

ちあきちゃんは、

5つ歳下だったがしっかりして

聡明で、信頼のおける人だった。

夫同士は同業種で、偶然にも

出身校が同じだった。

 

彼女と初めてランチに行った日は、

前日に夫とケンカしてしまい、

気分がすごく落ち込んでいるときだった。

思わず暗いネタを吐露してしまったが、

本音を話せる唯一の友人となった。

 

美味しいものが好きという嗜好や

アーティスティックな気質、

センスが良く、器用な彼女と

打ち解けるのに時間はかからなかった。

以降、大切な友達となる。

 

報告の先

合格を家族や友人にひとしきり

報告してまだ嬉しい興奮が冷めやらず、

牛田さんにもメッセージで

届いた合格証書の写真を送った。

牛田さんもこの資格の保有者で、

一線で活躍している人物なのだ。

 

急なメッセージに驚いた様子だったが、

真摯におめでとうと返信してもらう。

更に気分は良くなり、達成感で

いっぱいになった。

チャレンジ

一昨年、ある国家資格にチャレンジし、

惜しいところで合格を逃していた。

通信教育代6万円ほどかけたのに、

悔しく思い、ことしも再挑戦を

決めていた。

 

どんなにやる気が出ない日も、

5分だけ、しかもスマホのクイズを解く

だけでも毎日欠かさず学習を続けた。

通勤時間は、音声教材を流した。

 

試験日はあとひと月足らずだ。

育児に家事、そしてパートと試験勉強。

なかなか充実の忙しい日常になった。

 

いよいよ試験本番が迫る。

なんとこの会社の社長も受験するという。

なぜか意気投合し、2人で会場に

行く約束になった。

その年の受験者数(府内)は5千人近い。

会場に流れる人の多さに圧倒され、

前年に落ちた実績が不安にさせる。

しかし積み重ねた努力は裏切らない。

戦略と自信のほうが、不安より

少し上回ったようだ。

 

2ヶ月後、

無事に合格証書が届いた。

 

初出勤

2年ぶりのオフィスワークである。

 

やる気は充分だった。

まずは事務所内を案内される。

水場やトイレ、デスク、PCまわり、

複合機や応接間、休憩室など、

古民家をうまく改装してあった。

漆喰に藁を混ぜた室内壁は味わいがあり

天然石の化粧タイルと馴染んでいる。

欄間の感じも良い。

縁側から観む庭木も来客を

楽しませてくれる。

 

営業のかたが現場から戻り、

挨拶を交わした。

牛田さんと言った。背が高く、

ずいぶん若くて夜の商売の雰囲気が

あった。なんとなく、

遊び慣れたような軽さを感じた。

 

そうして

あっという間に初出勤の日を

終えた。

採用連絡

結果の連絡があったのは3週間以上

のちだった。

秋の新学期が始まってしばらく経ち、

連絡がないので不採用かなと

夫と話していた頃だった。

待たされたことに多少不安と不信を

抱いていた。

 

9月20日より出勤が決まった。

採用連絡が遅れたのは、

業務などが立て込んでいたらしい。

社員数が少なく、ひとりひとり

あらゆることを兼務しているようだった。

面接

恩師に紹介された面接先は、

集落にあった。

古民家を改装し事務所として

立ち上げた3年目の会社だった。

 

田んぼや畑に囲まれた細い道を

山あいに上がっていく。

大きな柚子の木が

敷地内の一角にそびえる。

約束の時間より20分ほど早く

到着したので、しばらく駐車場で

待機していると、

背の低い中年男性が、事務所から

出てきて、なかに入るよう

勧められた。

 

たたきの玄関をくぐると、

古い木材のにおいがした。

脱ぎにくいタイプのミュールで

来てしまったことを少し後悔しつつ、

手こずりながらスリッパに履き替えると

建物奥の応接間へ通された。

 

社長との面接と

簡単なPC操作のテストがあった。

面接では、

なぜこのような立地に事務所を

構えたのか、など説明を受けた。

無機質な事務所で四角い窓に

囲まれて仕事をするなんて、

ゾッとする、みたいな理由だった。

それはそれで、納得できる話であった。

 

面接は無難に終わり、

また履きにくいミュールと

少し格闘しつつ、事務所をあとにした。

 

働きたい

末っ子が3歳になった。

 

保育園入園も決まり、

時間の余裕が生まれ始めた。

働きたい、というより

働かねば、という気持ちが強かった。

しかし、

末っ子の妊娠前の勤め先に

再雇用される気は毛頭なかった。

小さな会社の事務をしていた。

スタッフは、社長、営業部長、私の

3人だった。

業務は、会社員時代の要領で、

そつなくこなした。

しかし社長がとんだ人間だった。

部長が出かけると、

すり寄ってきて抱きついてくるのだ。

気持ちが悪くて、やめて下さいと

訴えても聞き入れない。

毎回逃げ惑う日々。

泣き出したい日々。

良いタイミングで末っ子の妊娠が

わかり、1年足らずで離職することになった。

退職日まで逃げて避けて

背後を警戒する日が続いて、

本当にしんどかった。

紛れもないセクハラだった。

 

という事情があり、

職場復帰はかんがえずに

恩師にコンタクトを取って

アルバイトを探すことに

なった。