主婦ログときどき赤裸々系日記

ときどきすごいこと書く日記です。

回顧

セクハラ、パワハラモラハラ

 

この3大ハラスメントを経験した。

どんなに深刻でも、当事者同士の

主観である以上、私はどの件も誰かに

訴えて争ったりすることはないと思う。

 

しかし記憶から消えることがない、

心の中の傷は癒えることはない。

 

私は完全な専業主婦の期間に、

ある国家資格の猛勉強し、試験に合格した。

子供が保育園に行くようになり、

週2〜3回であればパート勤めができるように

なったが、なかなか取得した資格の

分野で、資格を活かして働く機会がなかった。

そんな時ある知り合いを通じて、

自分が所長になった支店で働かないかと

声をかけていただき、

千載一遇のチャンスかもと

7年間勤めたパート先をやめて、

そちらにうつることに決める。

 

しかしその転職が人生で指折りの

地獄のような日々になった。

 

所長は拝金主義のひとで、

他人を言いくるめたり貶めたり

するのが得意のような人間だった。

「所長」であり、会社の創設者でないから

彼の口癖は「人の金だから」であった。

だから、サラリーマン気質が色濃く、

責任感はくちほどにない。

当初は優しかった所長だが、

些細なことでも粗探しをするようになり、

2〜3時間説教を受けて、

昼食の時間が大幅に遅れたり、

残業になったりした。

大柄なひとで体力があるのか、

ずっと喋り続けていた。

内容はほぼ自身のマウンティングだった。

この所長の前職場で自殺事件があったらしい。

営業所の入り口で首を括って亡くなったそうだ。

私は、この所長が責め立て、

悪者に仕向けて、追い込んだのでは

ないかと疑念を抱かずにいられない。

 

それから、

私自身の尊厳を無視するような発言も

多かった。

私の子供達はまともではないとか、

夫婦仲も良くないとか、

勝手な憶測と邪推を前提に言葉の暴力を振るった。

他人に対しての陰口も酷かった。

特に社長夫人への痛烈な批判は、

直接本人へ絶対に向けられないために

支店の部下たちにヘラヘラと冗談まじりに

悪態を吐く姿はほんとうに醜かった。

顧客の取り方は、

恐怖と不安を与えて商機にするのだと

教えられた。

私にはそのような考え方で獲得した顧客は

クレームと訴訟を招きかねない

危険な方法としか思えない。

仕事とは、人の役に立つこと、

幸せにすることだと信じている。

 

信頼出来ない上司。

やるべき事もない。

毎日が暗くて辛い。

物欲も湧かない。

帰宅すると愛おしい子供達、夫がいて、

皆んなに暗い表情は見せられない。

 

あり得ないようなモラル違反の

上司の発言も、私の中では的を得ていない

見当はずれだったから、発言自体に

ダメージを受けることはなかったけど、

かと言って反論できない。

反論しようものなら逆上して、

さらにお説教が長くなるし、

黙って去る事に決めた。

辞める事を決めて実行したら、

世界に光が戻った。

懐柔

職場に男女が交われば、

何かしら生まれる。

健全な人間であれば、感情が生まれて

開花する。

牛田さんと2人きりで忘年会をすることになった。

 

安居酒屋で

やすものの酎ハイとつまみを頼むと

牛田は早口で自分の生い立ちを

まくしたてた。

両親と血縁関係はない、

自分は捨て子であると言う。

金銭的な事情で高校進学はしていない。

中卒で、まわりがスクールライフを

エンジョイしている間、

アルバイトに追われていたそうだ。

自分の事情を知る人は少ないという。

90年代の高校進学率は95%を超える。

私のまわりには中卒はひとりも

いなかったから、かなりレアなタイプだ。

彼は、頭の回転が早く

顧客とのコミュニケーション能力が

高かった。

自嘲気味な話術を展開して、相手のふところに

入り、うまく立ち回る。

 

わたしはこの牛田に、

まるで気づかないうちに

ふところにはいられた。

忘年会

勤め先で忘年会が開かれた。

コンパニオンがついて華を添える。

話すことは同じである。

スタッフ同士の絆もさほど深まらない。

ビジネス上の人間関係に、

夢や希望は持たない。

繋がっているのはお金のためだ。

しかし、そうとも言い切れない関係もある。

友人にはなれないが、

男女関係に発展する場合、

周囲には、如何に気づかれず平静を

装って関係をあたためるのもまた、

ゲームのようであり、ドラマのようでもある。

交流

週一回のマークのレッスンが楽しみで

仕方ない。

マークとたくさんのことを分かち合いたい

と思い、自主学習に励む。

iknow!というアプリが私に合っていた。

自然な会話文を何度もシャドウイングしたり

イディオムや単語を覚えて、

レッスン時に使ってみると、

マークがびっくりしたように褒めてくれる。

会話の質が上がると、より親密な話が

できるようになる。

マークを招いてランチをしたり、

手紙のやり取りをするようになった。

 

これを機にわたしの英語脳は

開花するはずだったが、

残念ながらマークは自国に戻ってしまい

それきりだ。

 

英会話

高校生の時、英会話スクールに通いたかった。

しかし親が許してくれずに諦めた。

アルバイトして月謝は自分で払うといっても

どうしてもダメだという。

 

そうして自活するようになって

いろいろな英会話スクールにつぎ込んだ。

NOVAやオンライン英会話、

英会話サークル、アプリ、

あとはネイティブの外国人と

カフェで会話する実践型英会話などなど。

いちばん会話力が上がったのは

スタンダードな対面指導だと思う。

オーストラリア人の講師マークは、

講師歴15年以上のエキスパートで、

毎回興味深い題材を元にレッスンを

進める。

洋雑誌の記事からたくさんの刺激を受けた。

料理家オトレンギ氏のレシピは

マークのレッスン時に知った。

彼のお宅に招待され、実際にごちそうして

いただいた。

進展

牛田さんから紹介したい人がいる、

ととある会社の社長と顔合わせすることに

なった。

副収入を得る良い機会かも知れない。

3人で食事することになり、

その社長の今後の展望などを聞いた。

自社を展開するにあたり、

有資格者を採用したいそうだ。

しかしわたしは実績も経験も

乏しく、すぐに決断はできないまま

時はながれた。

 

しかし牛田さんとの関係は、

これを機に少しずつ親密になっていく。

食事のあと、社長を送り届けてから

ふたりでバーに立ち寄り飲み直した。

他愛のない会話で、その日は別れた。

将来の不安

人間は不安になる生き物である。

 

ライフステージごとに

不安感が襲ってくる。

ひとの悩みは、

お金、健康、人間関係の3つしかないと

言われる。

 

夫は自営業だから

すなわち収入は一定でない。

からだを壊したら、

稼ぎのすべを失う。

 

子供達が成長していくにつれ、

義務教育が終わったら、

高校、大学と資金の必要な問題が

出てくる。

やっていけるのだろうか?

まだ不確定なことに悩むなんて、

よほど暇なのか…

 

わたしはなぜかそのような漠然とした

不安を牛田さんにこぼした。

独身で年若いひとに

こんな現実的な話題をしてしまい

罪悪感があったが。

すると彼は、住宅ローンを見直してみたら?

とアドバイスをくれた。

もともと低金利で組んだ住宅ローンでは

あったが、更に月々の返済額が

軽くなった。

具体的で明快な応えに、

わたしは気が楽になり、牛田さんに

感謝することとなった。